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Uターンをしやすい組織

週刊医学界新聞で、福岡先生らが書いておられたが、
https://www.igaku-shoin.co.jp/application/files/7817/0953/0242/3557.pdf
全国で、研修や医学教育が標準化されることは、いい面もあるだろうなあ。
人がいないとできないことではなくて、当たり前のことをやりつづけること
たとえば、教えて、フィードバックして、教える側も、まなぶこと。

福井に来て3年たって、教育に関わる機会が少しずつ増えています。同学の教員も会議でいっていましたが、
どうやって福井に医師を残すのか、医師として福井に残ってもらえる教育をしないといけないと。
しかし、この発言をした教員も、大阪や海外にいたひとで、
私も、京都や広島とか、東京とか、海外にもいました。
そんなひとが、福井に残って!、って言っても説得力はない。
やっぱり若いうちは都会や別の土地でめいいっぱい刺激を受けた方がいいと素直に思う。
たとえ、研修が標準化されていても、刺激の量は違うという実感はある。

東京にいる友達(看護師)が、東京芸大の文化祭に言ってたのしそうだけど、
そういう刺激の頻度と強さは、都会の方が絶対に大きい。
築地の魚の方がうまいかもしれない。
しかし、和歌山の地元の人の選りすぐりのみかんは、そこでしかたべられない。
もぎたてのとまとのおいしさを築地ではきっと味わえない。

その中で私として今思っていることは、Uターン、Iターン、Jターンをしやすい組織であること。
ひとしきり都会で頑張ったあと、ああ、やっぱりもどってみよっか、
ふくいって、じみにすごいんだし
そんなときに、でも、きっともどっても不幸しかないよね、と思われないような形でありたい。
こちらにはこちらの苦労はあるけど、都会の方がずっと苦労は多いよ、
やっぱり、もどってよかったと思える、
そんな場所であればいいんだろうと思う。戻りたいときに戻れる場があればいい。

無理をして、都会の真似をしようとしても、底が知れるし
新幹線も通ってストロー現象も気になるし。
結局、福井で育ったわけではないので、結局よそもんがいうことなんだけど、
宮津で3年働いて、福井で3年はたらいて、同じような愛情みたいなものがある。
宮津は家族のゆかりがあった。福井は父の繊維関係の仕事で教え子の就職先が多かった。
いろんな関わりは、あるといえばあるので、そんなよそもんとさげすまれるほどでもないでしょ。

大阪ではたらく福井育ちのひと、京都ではたらく福井育ちのひと、
集中治療や麻酔をやっている人を何人も知っているのだけれど
そんな人たちも、ふくいをでたことに、ちいさなもうしわけなさが、あって
機会と何らかのエネルギーがあれば、戻ってきても別にいいかなと思うんだとおもう。
そのときに、まあいっかと思える場で、あればいいと思う。

よそもんの私が、3年前に福井に来た時、そして、
数か月、数年と時が経ってくるなかで、振り返ると気づかされる、
入るときのストレスが、すこしでも小さいことが、
戻ってきやすいということに大きく関連しそうだ。
そのためには、当たり前のことを当たり前にやっておくこと。
一方で、都会ではしがらみでできないが、当たり前のことをやっておくこと。
そういうことが、大事かもしれない。

# by khosok | 2024-03-17 10:04 | Trackback | Comments(0)