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同じ歌を何度も歌いなおそう

許されるなら、同じデータベースを使って何度も何度もあの手この手で解析するとかして、少しずつ少しずつデータの性質を知って、自分で納得して、そして小さな満足を得るようなことをし続けたい。
大江健三郎さんが同じ本を時間をおいて何度も読むことを勧めていたし、椎名林檎さんは同じ曲を何度も違う風に編曲して披露し続けている。大江健三郎の万延元年のフットボールを読み終えてそのままもう一度読み始めるようなことが正しい姿に思える。
論文が雑誌に投稿後rejectを繰り返す場合、あまりデータを見直さずにそのまま再度別の雑誌に投稿するような行為を怠惰だと思う。ここは再度データを見直すチャンスかもしれないし、もう一度たなごころで転がしたデータをもう一度解析してにんまりとする快楽を得られる貴重な時かもしれない。同じプロセスを違う興奮と不安ともに繰り返し同じ結果になることがなぜか心地よい。
学生さんたちに対して、繰り返し同じことを話している。現在の本業の麻酔も繰り返しがある。家庭とか組織とかも同じテーマを繰り返していると思う部分が多い。それでその都度小さな発見や同じことをなぞるが故の心地よさと美しい肌感覚がある。新しく違うプロセスをたどる興奮や不安の絶対量が減ってきていることとその差異が明確に認識できることも関連するかもしれない。
福井にきて2年目になるとやはり同じ山に違う時違う気分で登ることになろうと意気込む。違う道で登ろうとわざわざ企画することはないと思う。何度も同じ道でやればいいと思う。乗り越えるには1回の道のりではなく、何度も何度も繰り返す波に乗って何度目かにやっと乗り越えられるということを、さまざまな活動の中で知っている。
同じボタンを何度も押すことができることはその直後も生きているという報酬がえられる実体を確認しそれ自体生きる喜びとなる。

# by khosok | 2022-01-16 17:15 | Trackback(2) | Comments(0)