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研究者と産業界とお役人

今朝の中国新聞にも掲載されたものだが、広島大学医療系トランスレーショナルリサーチ推進機構キックオフシンポジウムが昨日6/16に開かれたので、聞きに行った。
http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=440795&comment_sub_id=0&category_id=110
産学で協力して社会のために汗を流そう。官学の力で医療医学が変えられる実例もある。

そういう話で、一言でいうと刺激的だった。自分の立ち位置のようなものを改めて確認できた。私は41歳、医師として、麻酔科、集中治療、基礎研究、臨床研究、地域医療、中央官庁を経験した。企業に所属したことはないが、企業に属する研究者と話すこともある。そんな私も最近よく思っているのだけど、一研究者でできることは多くない、研究のノウハウ、実行力ばかりでなく、研究技術、統計処理、商品化、マーケティング、事務、特許など、医療系研究の先にある物事を、きちんとマネージするつもりで、研究を始めんといけんねえ、ということかと思う。すべての研究が商品につながる必要はないけれど、商品にならないような物事は、ひとのためにはなっていないかもしれない。

その意味で、研究競争資金の取得合戦が行われ、その資金が適切に配分されていると言えるのか。配分された後、社会のために還元されているのか。

私が小人であり、文科の科学研究費の取得くらいしか考えていなかったこともあるけれど、また、そういうスケールのものは企業と一緒に何かをできるサイズでないということ、また、それでは人が雇えないということがあり、なかなかこの研究費によって実行力のある研究と開発がすすめられないこととが言い訳みたいになって、本当に何ができるのかと立ち止まっていたところだ。

ひとりでできないなら、多様性を求めてネットワークかなと思って少し探りはじめてはいるが、それでもやはりネットワークは歩き回らないと作れないし、刺激的な実体も探さないと見つからない。そうしたことでも、つまるところ成果につなげないと短期的には肩身が狭い。

ところで、手元のYouTubeがListの超絶技巧Mazeppaを流しだした。ひとりの人両手からこうした楽曲が演奏されることが感動的なんだけど、じゃあ、オーケストラにしたらどうなるのか。すべての楽曲がオーケストラ演奏である必要はなくて、ひとりの手による超絶な曲で、ひとはあっと思ってくれたりするものだ。

身の丈に合うというのかよくわからないけれど、自分のできる範囲のことを繰り返していくことも重要なので、身近なことからできることを増やしていくことになる。小さな成功か成果かを積み重ねながら、もうすこし、森を歩き続けよう、「青い鳥」を探して・・・

by khosok | 2018-06-17 16:15 | Trackback | Comments(0)

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