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8月16日 タバコをやめさせると傷の治りがよいRCT(その2)

Complicationに差が出るが、hospital stayには差が出ない。

私曰、「こういわれると、入院期間に差がないなら、
禁煙する必要ないんじゃないのか、といわれるかもしれないよね。」

outcomeの説明をした。
primary outcome, secondary outcomeを
何にしているかというのが、論文を読むとき、自分がそれを信じるときに
重要になってくる。

この論文では、
primary outcomeは、合併症や創傷治癒だ。
しかし、
primary outcomeを、入院期間や死亡率にしていたら、
この論文のインパクトは、全然変わってくる。

ノミコさん、「Figure 2の見方が分かりません!!」
まず、relative risk、RRR、ARR、NNTの話をした。

実際に計算してみるわけだが、
自分で、誰かに説明してみることをしないと、
分かった気にはならないかも。

NNTは、ARRの逆数だが、これが治療の際の指標になる。
この場合、
complication anyのNNTは、”3”だが、
3人禁煙のプロトコールに乗せたら、1人は、complication anyから
逃れられるという計算になるとされる。
ARRが発生率の差だから、これが大きいほど
NNTは小さくなる。また、詳しくは、今度。

Figure2で重要なのは、95%CI(信頼区間)のことだろう。
中心の値と、その前後の傍線の範囲が95%CIといわれている。

「世界全体の真実の値が、この傍線上のどこかにある確率が
95%である。」
「中心の辺りに、真実の値がありそうだが、
それは、誰にもわからない!!ただいえることは、
95%の確率で、真実の値が、この傍線上にあるということ」

こういうことを、数学の先生から教わった。

ITT(intentio-to-treat)とper protocol analysisの話もしないといけないが、
今日は、やめておいた。
なんせ、これで、1時間もかかったから。

最後に、
私曰、「もう一度、basic charactaristicsをみてください。
この実験は、大半が整形外科の足の手術です。
この程度の侵襲でのデータということかもしれません。
RCTの結果と、自分の目の前の患者さんとを比べて、
本当に、この患者さんに適応しうる結果であるのかを
再度検討してみる必要があります。」

次回は、ちょっと楽をしようっと。

by khosok | 2006-08-22 20:42 | 論文(RCT) | Trackback | Comments(1)

Commented by Shimirunov at 2006-08-25 18:17 x
あるずいっけんでは、8分間一生懸命煙草を吸うとCO-Hbが13%に、それを3セットやると17%になるらしい。
ChainSmokerはCO-Hbが30%らしいですわ

ここの検査室の機械はCO-Hb測れましたっけ???
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